やっぱりクラシックが1番いいですね
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ベートーヴェン : ピアノ三重奏曲第7番 「大公」&シューベルト : ピアノ三重奏曲第1番ルービンシュタイン(アルトゥール)
BMG JAPAN
発売日 2000-11-22
光るナイフのように鋭利なハイフェッツ、堂々たる風格と輝かしさのフォイヤマン、巨大な器を感じさせるルービンシュタイン。不世出の巨匠3人の対話だけによって可能な、信じられないほど豊かなオーラ、超一流のぶつかり合いによる天才の火花がここには満ちている。
戦時中1941年9月にハリウッドRCAスタジオで収録された歴史的名録音。当時「百万ドルトリオ」と称された3人の巨匠のうち、とりわけピアノのルービンシュタインとヴァイオリンのハイフェッツは、当時の音楽界の頂点に君臨する2人であったが、芸風の違いから反目は明らかであり、波乱含みのレコーディングとなった。録音は実に鮮やかで、第2次世界大戦中のものとは思えないほどの生々しい響きが素晴らしい。なお、翌年にチェロのフォイヤマンは急死している。
ニューヨークの音楽学者ハリー・ゴールドスミス、そして故・三浦淳史氏によるライナーノーツは録音現場の事情を詳しく描写していて興味深い。それによると、ハイフェッツはルービンシュタインが上っ面でロマンティックに過ぎると文句を言い、ルービンシュタインはハイフェッツの弾き方が冷たく攻撃的で前に出過ぎると言う。ルービンシュタインがベートーヴェンの終楽章の軽快な部分でポーランド風の茶目っ気を加えると、ふざけるなという目つきでハイフェッツが演奏を止めて真っ向からにらみつけるという険悪な一幕もあったという。
ベートーヴェン「大公」第1楽章の展開部、ピアノのトリルの連続に合わせてヴァイオリンとチェロがピチカートで音階を上下させていくところなど、そこに漂う緊張感たるや壮絶なものがある。シューベルトの終楽章も、どんな弱音、単純なフレーズにも油断は禁物で、一見可愛らしく快活な音楽の陰に潜んだ、三者三様のカミソリのような技の切れ味がすごみを放っている。
戦前の巨匠時代のトリオといえば、カザルス、ティボー、コルトーの3人によるトリオが有名だが、そちらはカザルスを中心に比較的円満なアンサンブルがまとまっていたのに比べると、こちらはさながら殺気に満ちた真剣勝負。極意をきわめた達人3人が、表向きは絶妙のバランス、内実は危険で不思議な均衡を保っている。まるで命がけの果し合いを見ているような、二度とありえない奇跡の三重奏と言うべきだろう。(林田直樹)
「音」ではなく「音楽」を聴くことのできる「海辺のカフカ」ファンに。 2006-10-15
年配の方はご存知のSP時代の録音ですから、むしろ「懐かしく」感じるかも知れません。レコードの回転するごろご
ろという音や、ぱちぱちぷつんというゴミや傷の音が聞こえてきそうです。昔はそのようなノイズのかなたから妙なる
音楽が聞こえてきたのです。
始めはこの音質に違和感を覚えるかも知れませんが、不思議なことに何度も繰り返し聴いているうちに、そんなことは
気にならなくなり「音楽」がくっきりと聞こえてくるようになります。ジャズファンである私にはクラシック愛好家の
ような気の利いた感想は述べられませんが、聴く音楽にジャンルはありません。これはすばらしい「音楽」です。
「海辺のカフカ」で喫茶店のマスターが語ったのはこちらの演奏、そしてホシノ君が購入して聴いた「心温まる」ほう
の「大公トリオ」はおそらくカザルスの演奏だったのだと思います。余談ですがこのアルバムにおさめられたシューベ
ルトのトリオも大好きになりました。
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